カプセル
自分でも壊れてるとフト思う。
マスターベーションなんて全然役に立たなくて
誰に助けを求めてるかも分からない。
さらさら指から流れてゆくカプセルを見つめて「あぁ、綺麗・・・」
とか壊れたことを考えて口へと落とす
噛むとザラリ。甘美の味がする。
ゆっくりと意識が飛ぶのを感じて上を見上げると、白い天井。
アノ人は、一体今どこにいる?
自分の身体を傷つける勇気さへ無いのに、どうしてかカプセルは飲める。
やっぱり、きれぇだから。
淡く微笑んでクスリの粉が身体に流れて行って
それがまさに、お前とヤってるみたいになるから。
「・・・・・・・・・・・っっ千石っ!!!」
バタン。という音と共に待ちわびたアイツがやって来た。
思わず笑みがこぼれるんだ。
「何やってんだ、てめぇ!!!」
俺から奪い取ってゴミ箱へと捨てた。
嗚呼、なんて無駄な事。
あんなもの
ドラッグストアになら山ほど腐るほどあるのにね
それでもヤメロと亜久津は言うんだね。
座りこんでる俺の前にしゃがみこむと、なんだかとても複雑な顔の阿久津がいる。
「オイ、へいきかよ…」
「何が。」
「いやなにがって…」
「平気じゃない。」
「・・・・・・・・・」
「お前のいない生活なんて何も意味をなさないよ、亜久津。」
「・・・・・・・・・・」
「なんとか言えよ。」
「・・・・・・・・・・・・わりぃ・・・」
「なんで謝るわけ?」
なんだか悲しくなる。そん言葉が欲しかったわけじゃない。
困らせたかった訳じゃ なぃ。
でも本当はどうなのかな。
気付いて欲しかったのかも知れない。
「とりあえず寝ろ。」
俺の腕を掴むとなんだか苦い顔をして
シベリアンハスキーと同じ色の瞳が俺を見つめていた。
夜空に輝く月の色に似ている。
「お前…また痩せた?」
「さァ、ね。」
ふ…と、口元に三日月の形をかたどって、俺は嗤った。
「寝る前に、食え。」
「食べたくない。」
「作ってやるから。」
「じゃ食べる。」
「・・・・・・・・・・・・・」
こんな風に弱ってると、亜久津は優しい。
やっぱり基本的には良いやつなんだ。
そして不器用。
本当は
亜久津は優しすぎるって 俺は知ってるよ?
「俺が、心配?」
「あ?」
くす、と微笑首に手を回した。
力の入らない腕に力を込めて、顔を近づけた。
「食べる前に、お前を喰いたい。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・寝ろ。」
「ヤダ。食えっていったの阿久津じゃん。」
「それは食いもんの話だ。」
「俺は生ものだって全然大丈夫よ?」
にっこり笑ったら、すごーく癒そうな顔をしたけど、なんだか諦めたらしい。
口元には、三日月。
アイツと同じ、瞳。
「ねぇ、俺が心配でしょ?」
首に回した腕を強く握る。
亜久津からは俺の顔は見えない。
自然と、涙が伝った。
「行かないでよ。」
「・・…・・・・・・千石?」
「お前のいない世界なんて、何も意味をなさない。」
「お前のいない空間なんて、何も意味をなさない。」
「だから、俺のいる世界に戻ってきて…」
「テニスはやめたって言ったろ?」
「プライドがあんの?」
「当然。」
「そんなの捨てちまえ。」
「・・・・・・・・・・・汗」
「じゃないと、俺飲みつづけるから。」
「てめぇの役にたたねぇよ。」
「良いんだ。」
「一応レギュラーだろ。」
「ラッキーが守ってくれるから、平気。」
全然平気じゃねーだろ。
そんな顔をしてた。
なんんでもおみとおしだよ。わかるんだ。
だからね
俺が求めた分だけ、求め返して。
狂おしいほど、同姓の亜久津を アイシテル から。
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なんか嫌かも。自分病気臭い…
いえいえ、病気でもなんでもないっすよ。
ただ、なんとなく…
キヨ病気っぽい方が好きだし(オイオイ)
亜久津が優しくて切なくなる。
でも実は素材屋で超ステキングな素材と曲を見つけて
いても経ってもいられなくなってしまっただけなんですけどね。
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