― 山吹中部活中の休憩にて ―



「あ、そう言えば今日ノストラダムスの大予言の日だ。」
清純は突然思い立ったように口からスポーツドリンクのストローを外すと阿久津に話しかけた。
「だからなんだよ。」
「なんだとは何さーーー。明日滅亡したらどうすんの。」
「しねぇよ。」
きっぱり即答した阿久津を見て清純はふっ・・・と口の端を上げて阿久津に詰め寄る。
「言ったねぇ?あっくん・・・・。んじゃぁ本当に今日予言が当たったらキスしてくれる?」
「なっ・・・てめぇ・・・ふざけんなよ。」
「ふざけてなんかないさ。だって阿久津は自分の言い分に自信があるんだろ?」
にぃ。と、清純は笑う。




その笑顔にはどこか恐いものがあって逆らう気が起きない。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ιιι」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・ぷっ・・・・・・冗談だよ、冗談!第一本当に滅亡したらキスするも何もないじゃん。」
そう言って清純はけらけらと笑った。












こいつ・・・・・・・・怒。いっぺんぎゃふんと言わせてみてぇ・・・。





そんな事を阿久津は思う。
もっとも自分より一枚も二枚も上手な清純には敵うわけないとは思っているのだが。













「てめぇ・・・・・犯すぞ?」










しかし流石の阿久津もからかわれるのには、飽きた。
というか、うんざりだった。
なのでここ一番のドスの聞いた声で清純に言った。



清純は、その言葉を聞いて一瞬目を見開いた。
けれどそれは「一瞬」
その直後には。







「きゃーーーー・・・・南ぃ・・・俺阿久津に犯されちゃぅ〜〜〜〜恐い助けて〜〜〜!」
なんとも可愛い声を上げて部長の南に抱きついたのだ。



がくぅ。思いっきりうなだれる阿久津。
やはり清純には敵わない。




「千石!!部活中にくっつくな!!」
「えーーーー?じゃ、南は俺が阿久津に襲われちゃっても良いのね・・・。ひどい・・っ。」
「なよるなぁ!!!」
「あはははっっ。」
楽しげ清純は笑う。


そうして、そんなやりとりを木陰からのぞいてる輩が一人。













(あぁ・・っ!!千石さん・・・なんて貴方は可憐で可愛いんだ!!
 今時ノストラダムスだなんて誰も信じていないのに・・・っっ。いえ、良いんです!!貴方ならば!!!)



とかなんとか思いながら滴れそうになる鼻血を必死で抑えているのは、室町。










「千石!!!」
南の一喝が入るが清純はそんな事はお構いなし。
第一南が優しい事を知っている。だから、笑っていられるのだ。
「やだ・・・南ちゃん。怒っちゃ駄目vv」
からかいながら色っぽい声を出して頬を撫でられて南は赤面する。
「・・・・・っっ・・・・・・・・・。」
「・・・・・・可愛いなぁ、南も。」
「・・・・“も”ってなんだ・…。汗。」
「そのまんまの意味。阿久津も可愛いけどね。ていうかからかいがいあるけどね。」
ふ・・・・・と、なんとも魅惑的な表情で清純は笑うのだ。
一方、南はというと。





(俺・・…男にときめいてどうするんだ・・・・。しっかりしろ、俺!!!)





と、自分を保つので精一杯だった。












(くぅ・・千石さん・・・・。そんな魅惑的に誘わないで下さい・・・。ていうか南部長よく耐えられて・・・ほろり。
 流石我らが部長です・・・・。)
と、室町は感動するのだ。
けれど同時に怒りも沸く。

(と・・・いうか。どうして千石さんはあんなにもあのヤンキーを可愛がるんだろう・・・。
 あんな不良は千石さんには似合わないと言うのに・・・・にっくき・・・阿久津仁・・・・。
 そうか、奴はあの手この手で千石さんを物にして逆らえない様に・・・・・っっ・・・千石さんっ・・・!!)
どう考えても策にはめられてるのは阿久津だし。
遊ばれてるのは阿久津だと言うのに都合の言い方向に妄想する室町。
終いには「自分があの悪の手から千石さんを守ってやらねば!!」みたいな事まで思ってしまう。








「・・・ゾク・・・・・・。」
「ん?どうした、阿久津・・・?」
「別に。なんでもねぇよ。」
「気分悪いの?」
言って、額に手を当ててみる。けれど赤面した阿久津はすぐにその手を振り払った。
「なんでもねぇって・・。」
「熱はないみたいだけどねぇ。」
阿久津の言葉は耳の右から左へと聞き流して清純は唸る。





「もしかして・・・・。」
「あ?」
「ノストラダムスの呪いかもよ・・・・?」
「・・・・・・・・・っっ・・・・・!!」







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「だって阿久津今まで結構悪なことしてるじゃん。天罰が下るかもね。阿久津だけ。」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・





「・・・・・・・・・それ・・・マジの話か・・・?」

結構こう見えて阿久津は繊細。そして信じぶかい。










(・・・・・・・・・・ハハ・・・・本当におもしろいなぁ。だから止められないんだけどvv
 いつ「予言が呪いになったんだ!」って怒るんだろう・・・。てか気づくんだろう・・・ふふふっ・・・)

可愛くハートマークを語尾につけながら未だ落ちこむ阿久津を見て楽しむ清純。
でも、彼は知っているのだろうか?







本当は、自分が元凶だという事を。






― 後書き ―

私カップリングではやっぱり山吹と青学辺りが好きなのです・・・。
ドリ夢だとこれに氷学が加わり・・・ふふふっ。
私のゴクアク観は狂ってますがこういうキヨキヨ大好きです。
本当に裏表なく純なキヨも大好きだったけど今はちょっと黒めのキヨが好き。
そしてあっくんは可愛い系、良い人系。そんな感じ。
南部長はとにかくかっこいいんすよ。まじ惚れます、彼には。
優しくって頼り甲斐のある男です。室町くんは・・・・・・・・・キヨ一筋ラブ?







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