3時間目開始のチャイムが鳴ってから25分後。
退屈な授業に飽きてが窓の外に目をやると、見覚えのある後ろ姿が見えた。
あの高い身長に、色素の薄い髪の毛。そしてこの距離でもすぐにわかるあの髪型。
「センセー、気分悪いんで早退しま〜す!!」
は帰り支度をすると担当教諭の返事を聞がずに教室を飛び出した。
バタバタと廊下を走って階段を掛け降り、昇降口で忙しく靴を履き替えた。
そして、正門まで全力疾走する。
ちょっと猫背の長身を視界に捕らえて、は思いっきり抱きついた。
「あっく〜んvv」
はあっくんの大きな背中に頬を寄せた。
大きくて温かいあっくんの背中。
「テメェ.....早く離れろ」
に抱きつかれた反動で思わず落としてしまった吸いかけのタバコの火を足で消すと、あっくんはポケットからタバコの箱を取り出した。
「久し振りだよぅ、あっく〜んvv」
「土日休みだっただけじゃねぇか」
擦り寄ってくるを軽くあしらいながら、あっくんは新しいタバコに火をつけた。
そして、美味しそうに煙りを吸込む。
「2日も会えなかったんだよ〜!?苦しかったよぅ」
「ああ、そうかよ」
「何よぅ。あっくんはあたしに会いたくなかったの〜!?あたしは24時間いつだってあっくんに会いたくて仕方ないのにぃ〜vv」
そう言うとはあっくんの制服の袖を掴むとブンブンと激しく左右に振り回した。
ウンザリしたような表情をしながらも、あっくんは吸込んだタバコの煙りを吐き出すとを引き寄せてキスをした。
別に深い意味はない。ただギャーギャーうるさかったから口を塞いだだけ。
でもだからと言ってうるさい人間全員にする訳ではもちろん無い。
ひとりにだけする特別な行為。
「や〜んvvあっくん大好き〜vv」
「ひとりでほざいてろ」
もう一度抱きつこうとしたのおでこに軽くげんこつを落とすと、タバコをくわえ直してあっくんはゆっくりと歩き出した。
といる時は普段よりもゆっくり歩いてくれる。
は嬉しそうに微笑むとあっくんの隣に並んで歩きだした。
「ねぇ、あっくん。手つないで帰ろうよ〜vv」
「ゼッテー嫌だ!!」
学校を出てしばらくしたところで、はあっくんにおねだりをした。
過去何十回もしてきたこのおねだりだが、一度も成功したことがなかった。
としては何も難しいとこは無いと思っているのだが、あっくんはすごく嫌がる。
そして、今日も速攻断わられた。
「ぶ〜。いいじゃ〜ん」
「イヤだ」
何がそんなに嫌なんだろうか?
キスは平気でするくせに。
あっくんはかたくなに手をつなぐのだけは拒否した。
両手をポッケットに突っ込んだまま出そうとしない。
ここまで拒否されると意地でも手つないで帰りたい。
イヤ、今日こそは絶対につないで帰ってみせる!!
「ねぇ、今日だけでいいから〜」
「イヤだ」
「ちょっとだけだから。ね?」
「イヤだ」
「じゃあ、1分だけ」
「イヤだ」
「モンブラン奢ってあげるからぁ〜!!」
「イヤだ」
ことごとく否定され、さすがのもちょっとへこむ。
1度千石に相談したことがあったけど、『ただ恥ずかしがってるだけだよ〜』と言われただけで何のアドバイスもなかった。
本当に恥ずかしがってるだけなのだろうか.....?
「...わがままだなぁ」
腰に手をあて、ため息まじりにが言うと、あっくんは素っ気ない返事を返してきた。
「お前がな」
わがままはお互い様。
でも、あっくん。知ってた?
あたしはあっくんよりもわがままなんだよ.....?
「...手つないでくんなきゃ叫ぶよ?」
「勝手にしろ」
は立ち止まった。
あっくんは気にする様子もなく、ひとりでそのまま歩き続ける。
は身体いっぱいに空気を吸込んだ。
不敵に微笑んで見せたがあっくんは気付かない。
そんなあっくんの背中に向かって大声で叫んだ。
「大好きだぁぁぁ〜〜〜〜!!」
「やめろバカ!!!!」
これにはさすがのあっくんも慌てて引き返してきた。
急いでの口をその大きな手で塞ぐ。
あっくんの顔は真っ赤で、くわえたタバコも力無く折れ曲がっている。
「バカか、てめぇは!!」
周囲の視線から逃れようと、あっくんはをひとけのない路地に連れ込んだ。
これが男だったらきっと半殺しだろう。
「てめぇの頭ん中はスポンジか!?」
「だってホントのコトだも〜ん♪」
怒り狂うあっくんを無視してはにっこりと微笑むと、あっくんに抱きついた。
あっくんは動揺しているせいかそのままに押し倒された。
どうやら今日はの方にぶがあるようだ。
「人の話を聞け!!早く放れろ!!」
「何か今日のあっくん可愛いよね?」
「殺すぞテメェ.....!!」
真っ赤になって怒っているあっくんが何だかすごく可愛くて、はあっくんにキスした。
いつもより近くて可愛くて、愛しい。
「.....てめぇな」
「えへへ」
観念したのか飽きれたのか、あっくんは心底深くため息をつくと、に押し倒されたまま新しいタバコに火をつけた。
「あっくん。怒っちゃった?」
はちょっと心配になってあっくんの顔を覗き込んだ。
さすがに今日は悪ふざけが過ぎただろうか?
あっくんは黙ったままタバコをふかしている。
「.....あっくん?」
「・・・・・。」
返事はない。
「帰るぞ、ほら」
「え?」
あっくんはをどかしてカバンを掴んで立ち上がると、片手を差し出した。
その手を掴んでも立ち上がる。
「ありがと」
そう言って放そうとしたの手をあっくんは無造作に自分のポケットの中に押し込んだ。
は思わずあっくんの顔を見上げる。
あっくんはそっぽを向いたまま目を合わそうとしない。
でも、その顔はまだ赤かった。
「.....モンブラン奢れよ。栗入りのやつ」
「うん♪お店ごと買い取っちゃうvv」
END.
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これでいいのか亜久津ドリー夢。チョー駄文っス。
ベタなネタだわ。でも、あっくんは手つないで帰ってくれなさそうな気がしたのです。
キヨとか喜んでつないでくれそうなのにねぇ。あっくんだから...笑
まあぁ.....あたしも大声で叫びたいです。.....おきゃんぴー.....とか.....爆
ちょ−駄文なんてとんでもないっす。
HARUっちの阿久津ドリー夢は最高よ?
しかも、ちゃんと手を繋いであげるのね・・。
まじほほえましいです。本編では悪者っぷり大爆発のあっくんだけど、サイト上では良い人で通ってるよねん♪
そんな君が好きさぁ〜〜〜vv
本当にありがとううっ
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