― らぶじぇねれーしょん ―
私は氷帝のマネージャーだ。
えぇと・・・まぁ、いろいろあって今はマネージャーは私一人(省略するなよ)
てなわけで、いきなり本編。ごめん。
私はぶっちゃけ言うと跡部が好きだった。いや、いまでも好きだけど。
だけど奴はもうすでに忍足の手垢が付いてる事必須だし。
なんだって男に負けなきゃならんのだと思ったりするけど相手忍足だったら私には成す術がない。
でも、先日忍足から面白い話を聞いた。いや、別に面白くも無いけどね。
なんでも跡部の奴、私以外のマネージャーは嫌なんだとさ。
その言葉の裏に、どんな意味があるのか私は知らない。
忍足が「妬けるわぁ。」みたいなことの先に私の事か跡部の事か今は確認するのも恐ろしいので分かりはしない。
でもさ、マジでさ。
好きだったわけ。冗談無しに。
だって跡部ってば意外にも優しかったんだもん。
意地悪で、性悪で、自己中で、女癖悪くて、とりえは絶対顔とテニスだけだし。
だけど話してみて分かったけど、人の話しを聞いてないようでいてちゃんと聞いてるし、面倒見良かったし、なによりかっこいいし(そこかよ)
マネージャーになる前、私達はよく屋上で話をした。
途方もないくだらない話をした。
たいては私がマシンガンの如く話してて、時折跡部があいづちを打つ。
それでも私のくだらない話に耳をかたむけてくれるのがあの天下の王様だと知ると、なんだか嬉しくて構わず話した。
お互い特に仲良いわけで無く、屋上だけの関係だった。
なのに、ある日跡部が突然言った。
「お前、マネージャーにならねー?」
私は面を食らって、「やだよ。」っていったら、あのやろう、私がどこの部活にも所属してない事を良い事にさっさと私に印を押させやがった。
しかも仕事ちょーつらいし。
だけど他の部員も良い男だし。ま、いっかな(良いのか!?)
でも仕事つらいんだよ、誰かー、誰でもいいー、help me――――!!
まぁ、昔話はこのぐらいにしよう。別に人の昔話を聞きたいわけじゃぁないしね。
ふっ、私は過去を振り返らない女さ。
なんでこんな昔話に華を咲かせたってゆーと、ちゃんと理由がある。
今はすっかり外は暗くて。
私は部室の中にいる。目の前には跡部が着替えてる。
跡部は私に背を向けてるけど、私は跡部の着替えてるさまを見てた。
別に痴女じゃぁないっすよ?
今日は珍しく忍足はいない。
いつもうざったいぐらいに跡部にまとわりついてるのに。
私は、なんていうかな。
別段やることもないけど椅子に腰掛けて机に肘をついていた。
だって跡部なにげに寂しがり屋なんだもん。
あっはっは、笑っちゃう。
「(視線がうざい・・・)」
「気にせんで着替えていーよ。」
「(なんでこいつ人の考えてる事分かるんだ・・・?)」
二人っきりでいると、なんだかあの時のことを思い出すから。
屋上で話した時のこと。
いまでは私もマネージャー業が忙しくてそんな暇はない。
跡部も同じく部長になったんだからそうだろう。
少し寂しいと思うのは、月が太陽を隠してしまったからだと思いこんだ。
「跡部ぇ。」
「あん?」
「いまでも屋上行ってる?」
「ときたまな。」
「えっ、嘘、マジ!?」
「なんだよ。」
「えーーー、だって私行く時間さえないのに。」
「お前と違って時間の使い方が上手いんだろ。」
「なんだそれ。私に喧嘩うってんの?」
「だとしても100%俺が勝つな。」
「ぎゃーす、あんた最低。」
そっか、跡部は行ってんのか。あの屋上に。
「寂しい?」
「なんで。」
「跡部意外に寂しがりやだから。」
「ざけんなよ。」
「ははっ。」
苦笑した。だよねぇ、今ここで認める訳ないじゃん。誰よりもプライドの高いこの男がさ。
センチメンタルにひたって、昔の自分を思い出すなんて私らしくない。
きっぱり忘れたと、そう思っていたのに。
でも、跡部の背中を見るとなんだか切なくなるよ。
その全部が
今は忍足のものなわけ?
「かーえろ。」
「お前、だったらなんでそこにいたんだよ。」
「いやぁ、景吾ちゃんが寂しがると思って。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・怒」
くすくすと私は笑って、カバンを取った。
跡部に背を向けたまま手を振る。
ドアのぶに、手を伸ばした。
手が、止まった。
「跡部。」
「あん?」
「私、あんたの事好きだった。」
「だった?」
抜け目無く付いてくる跡部に、私は苦笑すると肩越しに振り返った。
「そうだよ。"だった"」
「今は違うのかよ。」
「今は跡部は忍足のもんじゃん。彼氏持ちを狙うほど、冒険好きじゃないんでね。」
「あいつが勝手に付いて来てるだけだろ?」
「だけど、やる事やってんでしょ?」
「・・・・・っっ!!」
「(にやり)」
なんでてめぇがそんな事しってやがる。みたいな顔してた。
そりゃぁね。見てますから。
ていうか一応カマかけてみたんだけど、マジですか。ちょっとショック。
「いーんだ。跡部は私の良い思い出だったから。」
「だったらなんでそんな事を今言うんだよ。」
「わかんない。」
「はぁ?」
「だけど、区切りをつけたかったのかもね。自分に。」
ふっ、と、口元を弓なりに上げた。
今きっと私の瞳は屋上の時間を追ってる。
遠い目をする私を
今は許してね。
「じゃ、帰るね。また明日。」
今度こそ本当に背を向けて、ドアのぶに手をかけた。
「俺も、好きだったぜ。お前の事。」
時間が止まる。身体も、瞬きする事さえ忘れて。
ドアのぶを回すことさえ出来なかった。
なんで今、
そんな事言うのよ。
なんだか切なくて、泣きそうになった。
肩越しに振り返って、跡部と目があったらきっとヤバかった。
幸運な事に跡部は私に背を向けていて。
「そっか。」
闇が私を隠してくれる事に感謝した。
今は暗闇できっと表情は見えないから、私の言葉だけがたより。
人間は嘘吐きだから、きっと大丈夫。
私は、きっと大丈夫。
そう、言い聞かせたのは。
私は忍足も好きだからだろう。
今の関係を壊したくないと思った私の我侭から。
「そいつはおしい事をしたなぁ。逃がした魚はでかいね。」
「せいぜい後悔しろよ。」
「あはは、じゃーねっ!!」
ばたんと扉を閉めて、私は背をドアにもられかけると動けないでいた。
動けないよ。
なんでかな。
月だけが、みっともない私を見てるよ。
涙がでそう。
月を見上げて、手の平を目にあてた。
指の合間からあとからあとから水筋が流れる。
それは、少ししょっぱい。
「あーあ。なんだか改めて言われるとつらいなぁ。」
きっと私は顔を赤く染めているだろうけど、知ってるのは月だけで、少しほっとした。
ドアを隔てたすぐそこで、の気配を感じていた。
動けないでいるを、追えない自分。
追えるはずがない。
だけど
ドアを挟んでなら。とか思う。
ゆっくりと歩を進めて、手の平をドアに当てた。
体温も伝わらない厚くて薄い壁。
その気配が本当に消えるまで、ずっとずっとそこにいた。
それがばれれば、きっと女々しいとアイツは笑うだろうけど。
だけど、本当に好きだったから。
これぐらい許して欲しいと月を見上げた。
「てなわけでぇ、これからどんどん攻めるからっ(えへっ!)」
どうにもこうにも吹っ切れた私はその次の日忍足に人差し指を向けて宣戦布告をした。
他の着替えてる部員達は驚きのあまり声も出ない様子で、私に視線を集めてた。勿論忍足もびっくりしたようで、目を見開いてる。
そうだ、驚け驚け、忍足め、けけけ・・・(悪役かよ)
「なんやねん!突然!」
「ふっ、私もまだまだ捨てたもんじゃないっつー事よね。」
「うっわ、最悪や自分!!!」
「なんとでもお言い。跡部は私のもんだ!」
「言いおったし。」
「言っとくけど負けないからね。忍足ごときに。」
「ごときってなんやねん!!跡部!!お前もなんとか言いや!!」
「(昨日のアイツは一体どこに行ったんだ?)・・・・・・・知らねぇ。勝手にしろ。」
「ほーら、跡部もそういってんじゃん。」
「なにが「ほーら」や。とっくのとうに諦めたんやなかったの!?」
「そりゃぁね。跡部の幸せが一番だしさ。だけど、どう考えても忍足が跡部を幸せにすると考えられないから作戦変更。」
「非情や!!!」
「兎に角も、跡部はもらったぜ。」
「先輩、それは普通男の台詞ですよ・・・」
「五月蝿いぞ、チョタ朗!今のご時世男も女もあるか!!」
「ていうことだから、忍足。今日から恨みっこなしだよ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・(なんだか非常に考えてる模様)」
「(あれ?なんだか拍子抜け。もっと怒るかと思ったのに)」
「困ったわ。」
ポツリ。と、いろいろ考えてたのか唸っていた忍足が口を開いた。
「何が?強力なライバル出現に?(にやり)」
「それもあるねんけど、俺好きな子と争うつもり無いし。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・は・・・・・・・・・?」
嫌ぁな予感がする。
いっとくけど、私の勘はあたるんだよ。当たらなくて良い時に限って。
嵐の予感がする。
「俺、の事好きやし(にっこり)」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!?(冗談だろ!!)」
「いや、本気。」
「なんだとてめぇ、侑士っっ!!!」
「あ、勿論跡部の事は愛してるけど。」
「ぎゃぁぁぁ!!愛してるとかこっぱずしいこと言うなぁぁぁぁ!!!」
「可愛えぇなぁ、は。照れてる顔もキュートやでvv」
「ぎゃ―――――――!!寄るなっっ!!変態っっ!!」
どうやら、嵐到来。
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今度は跡部と主人公。
はぁ、大変。もてる女はつらいっすね。
てか最初シリアスで始まったはずだったのにいつのまにかギャグで終わったのは私の性格?
絶対そうだ。
いや、侑士は跡部の事好きだよ。
でもそれはホモとしてでーー(ホモとかいうな)
やっぱりノーマルとしては主人公なんでしょう。
でも二股って良いのかな・・・
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