私は氷帝のマネージャーだ。
そんでもってこの前の休日忍足と山に行った。
悪いけど、恋人持ちに用はない。
デートに誘おうなんざさらさら甘い。
だから、ドングリ拾いのデートコースに招待したやったのさ。



― らぶじぇねれーしょん ドングリを取りにゆこう3 ―




「おっはよー―――――。」

私は超ご機嫌な感じで部室のドアを開けた。
いつも私は一番ノリで部室に入るけど今日はちょっと遅い。
何故なら跡部宅に泊まったからだ。
いやいや、勘違いしちゃいけないですよ、おじょーさん(誰に言ってる)
別にやらしいしてはいないし、忍足も連れて行ったから跡部はそれどころじゃないと思ってたし。
私の読みは見事あたって。
この通り、健在だ。

両隣には、寝不足で不機嫌な(きっと理由はそれだけじゃない)跡部と、なんだかお肌がつやつやしてる忍足がいる。
ったく、昨晩なにやってた、お前ら。

跡部殿が不機嫌なのは、きっと昨日の事が関係しているのだろう。











・・・・・・・・・・・・・・・・美味しかったのに(意外に)






何が?という質問はこの後分かる。
先を急ぐ奴はモテないって法則だ(これ嘘)





「あ、おはよーございます。」

「おう、おはよ。チョタ朗っ!今日もしつけがゆきとどってるねーーーーーvv」

「はい?」

「いやいや、こちらの話。」


私はそこに、レギュラーが全員揃ってる事を確認する。あ、もしかしたら宍戸がいないみたいだけどまぁいいか。
ごそごそと鞄の中から「さる物」を取り出した。

瞬間、チョタ朗の顔が青ざめる。

「・・・・・・・・・・・・先輩・・・・・・・・?」

「なぁに?(にっこり)」

「(こわいっ!)そ、それは・・・。」

「あぁ、昨日ね。跡部宅のシェフに作ってもらったものを、おすすわけ。うふ。」

「ええっ!(いらない!!)」

「食べなさい。」

「(しかも命令形!?)」

「大丈夫やでー――。長太郎。なかなか美味かったし。」

「食べたんですか!?忍足先輩っ!!」

「だって、食べないと殺スって言うはるから・・・しくしく。」

「(ご愁傷様です)・・・でも、食べれるんですよね。」

「しっつれーなこと言わないでよ!!一流シェフに調理してもらったんだから美味しいに決まってるでしょっ!!」

「せやけど食材が食材やから・・・。」

「忍足は黙ってて。」

「もしかして、跡部部長も・・・?」

「あぁ、跡部は食べてないよ。どうしても食べなくてさ――――。」

「当然だろっ!!馬鹿かお前ら!!」

「はいはい、上流貴族の舌には合わなかったのよね。」

さっさとジャージに着替える跡部を横目で睨みながら、私は溜息を付いた。
なんでさー――――。ちょっと渋かったけどおいしかったのにィ。

「え、何々――――――?」

「お、岳人ちょうどええ。」

「え、何?」

「ふふん、がっくん。何も言わずにこのクッキーを食べてごらん?」

「うん?・・・・・・・・・・・・・ぱく。」

「(向井先輩が食べたっ!!)」

「「(よっしゃぁぁぁ!!)」」

「ど?」

「・・・・・・・・うーーん、普通。でもなにこれ。」

「ドングリ。」

「ええっ!!」

「(向井先輩・・・やっぱりショックなんだ)」

「すげーじゃん!!まさかドングリのクッキーなんて分からなかったよ!!」

「(そうくるんですか)」

「でしょー。流石がっくん。話が通じるねぇ。それに比べて跡部はノリが悪いったら。」

「お前が勝手に頼んだんだろうが。しかもなんだクッキーって!!クッキーにせざるえない程食材が悪くてまずかったって事だろ!!」

「一言多いんだよ―――。良いじゃん、食べれるって事が分かったんだし。」

ぶつくさ言いながら、私はチョタ朗にクッキーを差し出した。
そしたらなんだか嫌そうな顔をしたけど、おそるおそる食べてくれた。

「どう?(わくわく)」

「そうですね・・・思ったより美味しいです。」

「だよねっ!ほらー――。だから大丈夫って言ったじゃん。食べてみ?跡部。」

「絶対嫌だ。」

「もー――、強情だなぁ。昨日忍足に毒見させたじゃん。」

「あっ、やっぱり毒見だったんかっ!!」

「(バレた)良いじゃん、お腹壊してないでしょ。」

「そういう問題やあらへんやろー―――。」

「跡部への愛があれば例え火の中水の中。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・(もう何も言わへん)」



そんなこんなで、しばらくドングリトークは続いた。
食べれるのかな?と、心配してたけど証明できて私は大満足。
ほくほく顔でクッキーをあげてたら、部室のドアが開いた。

「なんだ?騒がしいな・・・。」

「あっ、宍戸だ!!おっはよ――――。」

「今日は随分ご機嫌だな。」

「勿論っ。だって今日は私の拾ったドングリで調理をしたんだよ!!」

「・・・・・・・は?」

「ほら、。やっぱり普通は食べへんのや。」

「うっさい。それでねっ!昨日跡部宅へ行って一流シェフにドングリのクッキー焼いてもらったの。」

宍戸は、きょとん。とした風に私を見てて。
私はその時、きっと初めて見るんだろうなぁ。とか考えてた(常人なら初めてが普通だ)

「ぎゃぁ!!だめですっ!!」

「なんでだよ、チョタ朗。」

「宍戸さんまで犠牲になるなんてっ!!」

「はぁ?なんじゃそれ。失礼だな――――。」

「あわわ、とにかく駄目ですっっ。」

何涙目になってるのさ。
もー―――――――――、大丈夫だってのに。
そしたら、宍戸はひょいとクッキーを口の中に入れてぼりぼり食べた。
うわぁ、びっくり。
流石に驚いた。
何も言わずに食べた人初めてだよ・・・

「しっ、宍戸さんっ!!!」

「あー――――?なんだよ。(ぼりぼり)」

「なんだよって!!汗。」

「ちょ、大丈夫なの?」

「なんだよ、お前も。お前が食えって言ったんだろ?」

「そりゃそうだけど。」

「なんや―――。随分態度が違うやん。」

「くっつくな、馬鹿忍足。」

でも流石に心配。
そんなに食べても大丈夫なんですか・・・?
宍戸良い奴だから無理して食べてくれてるんじゃないだろうね(本当に扱い方が違う)

「これ・・・。」

「え、何?」

「俺の家で作ったやつよりずっとおいしいぜ。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんですと?」

ちょっと、今なんつった。
非常に聞き捨てならないことを聞いた気がするのですが。









「ドングリぐらい、食うだろ。」

「「「「ええー――――――――――――!!!」」」」

流石に驚いて、私、忍足、チョタ朗、がっくんの四人は声を合わせた。

「それはないっ!!それは、ないっ!!」

「嘘。」

「嘘じゃねーよ、宍戸!!」

「うちではよく作るぞ?」

「お前の家おかしいんやないの?」

「宍戸さんを侮辱しないで下さいっ!!」

「てか、宍戸ん家って本当によく作るの・・・?」

「え?ああ。秋は食材が豊富で良いよな。なんでも食えるし。」

「そうではなくて、汗。」

「宍戸さぁぁぁぁぁん。泣。」

「なんだよ、長太郎。ひっつくな。」

「それで、どうやって食べてるの?」

「ああぁ?だから、すりつぶして、こねて、焼いて、パンみたいにすんだよ。でもこんなに美味しくでき  ね―ぜ。流石跡部の家だな。」

いや、感心してる場合じゃないですってば。
あんたどんな家に住んでるんですか。

「私・・・それ知ってる。」

「え、本当ですか?先輩。」

「それ・・・・(滝汗)・・・原始人が太古の時代に食べ物にしてたやり方だよ・・・。」



















・・・・・・・・しー――――――――――ん・・・・・・・・







「あ?なんだよ、お前ら。突然静かになって。」




もう、私が物知りだとかそんな次元じゃない。
私は宍戸が不憫で不憫で・・・・・・・くぅっ!!
ドングリをオモシロ半分に調理した自分に嫌気がさしてしまった。



「チョタ朗!!あんたパートナーなんだから宍戸の食事管理しなさいよ!!」

「だって!!宍戸さんお昼は普通だったから!!」

「今度ご飯おごってあげる!!」

「宍戸さん!!俺もです!!」

「俺もかまへんでー(つーか、凄いな)」

「俺もっ!俺もっ!!」

「なんなんだよ、お前ら。」

「なにもっ!!何も言わなくても良いのよっ!!宍戸のことは私達が守ってあげるからね!!」

「何泣いてるんだよ、お前は。」

「聞かないでっっ!!(号泣)」

「・・・・・・・・・・・・変な奴。」












宍戸を取り囲んで、わぁわぁやってる私達を見て、跡部がぽそりと呟いた。












「詰めがあめぇんだよ。行くぞ、樺地。」

「ウス。」










部活の後、みんなでファミレスに行ったのは言うまでもない。
ま、会計は跡部なんだけどさ。









「なんで俺が払うんだよっ!!」

「なによーー。金持ちのくせにーーー。」

「お前らが宍戸を誘ったんだろ!!」

「なによーー。ドングリ食べなかったくせにーーー。」

「関係ねぇっ!!」

「跡部ドングリ食べなかったのか?美味かったぜ、あれ。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

















「五万六千円です。(そんなに食ったのか)」

「・・・・・・・・ちっ、今回だけだぞ。」

「(やりぃ、ナイス宍戸!!)」



そんなわけで、私は超得したのでした。
ま、跡部が本当は優しいって事、私は知ってるけどね。



















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食べ物を粗末にしちゃいけません。
パンの話しは本当です。
だって何年か前歴史の授業で習ったもん。
てか、そういう事しか覚えてない自分っていったい・・・


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