― らぶじぇねれーしょん 初・体・験 ―
あ、こんにちわー。主人公のです。
いやぁー、この頃他の奴主点ばっかりでつまんなかったですよねー。
・・・・ねー?(誰に聞いている?)
とりあえず、私は今も氷帝のメイドとして働いている。
酷いよ、跡部。
マネージャーと評し、日々私に鞭打つなんてっっ・・・。
嗚呼っ、悲しき人生也。
ま、そんなわけで現状報告は終わり(早いですっ!)
「ねぇねぇ、なんかさー、下ネタなんだけど聞いてもいい?」
私は不意にそんな事を聞いてみた。
レギュラー全員が私の方を向く。
今は部活終わったすぐなので、着替えのお時間。
うふ、この瞬間を夢見る女がどれほど全国にいるのだろうか(全国レベルかよ!)
私は誰もが羨むこの地位につく代わりに、毎日ハードな生活をしているのだからさ。
「お前の場合今更だろ。」
「うわっ、ひでぇ。」
さらりと私の方を見ずに跡部は言い放った。
「なんか聞きたい事でもあるんか?」
忍足がシャツを羽織りながらソファに足を伸ばしている私を上から覗きこみながら尋ねる。
「あ、忍足に特に聞きたいです。」
「はい。なんでしょう。」
「あのさー、夢精って男がするもんでしょ?何時が初体験?」
「・・・・・・・・・・。」
・・・・・・・・・・・・・あ。珍しい。忍足が反応に困ってる。
忍足はいつも余裕しゃくしゃくで。私の下ネタトークにも特に動じたりはしないのだ。
だからこんな表情をするのは珍しい。
困ってるっていうか、眼鏡の奥に潜む細めの瞳を少し開いてただただ驚いている。
余裕な微笑で返すのかと思っていたから、凄く新鮮で凄く優越感。
私はそんな事を思っていても表情を変えずに忍足を見上げたまま視線を合わている。
他のレギュラーはというと・・・
とりあえず、宍戸は顔が真っ赤だ(初ですね。ったく、チョタ朗とやることやってんだろーが)
跡部は呆れている(てか、小さく溜息つくなや)
ジローちゃんは寝てる(疲れちゃったのね)
樺地は特に驚いたりしてない(てか、彼はいつもそうだ)
チョタ朗は飲んでいたお茶を吹き出した(汚いなァ)
がっくんは唖然としてる(彼もおこちゃまだからなー)
日吉はなんだか軽蔑した目で私を見てる(ちっ、冗談が通じないわねー)
「・・・・・・・うーん・・そうやなァ。」
え、真面目に答えてくれるの?
「てか、俺はそんな欲求不満になる前に女に困る事あらへんし。」
・・・・・・・・・・そーくるか。
「なるほど。めらくそムカツク返答をどうもありがとう。」
「なんやー、自分が聞きおったからにー。」
「だってムカツク。もぉいい。」
ふん、と、そっぽを向く私に対して忍足は溜息を軽く付くと着替えを再開させた。
「もー、つかえねーな。」
「口悪いです、先輩。」
「あ、チョタ朗は?」
「はい!?(どうして俺なんです?)」
「だって女には分からない感情だよ。知りたいじゃん?」
「え・・・ええっ・・・!?」
チョタ朗は困ってる。純情だからなァ。
なので、ちょっと実験してみることにした。
「じゃァ、質問を変えます。」
「は、はい。」
「宍戸と一ヶ月間ヤれなかったらどうですか?」
「辛いです(どきっぱり)」
即答で返しやがった。
「長太郎!!!」
「うわっ、宍戸さんなんですか!?」
「お前なに答えてんだ、馬鹿!!」
宍戸は真っ赤になってチョタ朗につかみかかった。
このラブコメ野郎共が。
「じゃぁさー、そのぐらい出来なかったら、夢とか見るんじゃない?」
「あ、見ます。」
「だから、答えるなっつ―の!!」
「だって宍戸さん。嘘は良くないです!」
「そうよ!チョタ朗は純情なの!!」
「その純情さにつけこむお前もお前だろ!!!」
「(無視)その次の日、夢精してるんじゃない?」
「あ、そうですね。それもそうです。」
「―――――――――っっっー―――!!(沸騰)」
「駄目じゃん、宍戸。恋人満足させたげないと(にやり)」
「お前らっっ・・・覚えてろよっ・・・。」
「だって宍戸さん!俺本当に辛いんですよ!?だって試合前とかはやっぱり俺勝ちたいし、なにより宍戸さんが望んでる事だから俺だって叶えてあげたいって思うじゃないですか!?だけど感情と身体って別物じゃないですか!!だったら・・・っっ!!」
「わ゛ー!!!もういい!!!もう、いいっっ!!!」
ふん、勝手にやってろ。
隣りでわーわしてる二人を無視しつつも、私は考える。
手を頭の後ろでくんで今度は跡部の方に目を向けた。
「跡部は?」
「俺様がそんな事すると思うか?」
「そうよねー。帝王はそんなことしないよね。」
アホな質問しちゃったわ。
跡部だって女に困らないんだからそんなことあるわけないんだった。
「でもさ、。夢精とかって無意識におこるもんだろ?関係なくねー?」
「・・・・・・・・・そうなん?」
「そうじゃね?」
「そうなんだ。」
知らなかった。そうなのね。
「なによぅ、がっくん博識ねー。」
「え、マジ?マジで?」
「うん、マジマジ。」
にこにこ笑いながら側に寄ってくるがっくんの頭をなでた。
可愛いなぁ。
「てか、そんな事で誉められても嬉しくないやん。」
「侑士、なにか言ったか?」
「なんでもあらへん。」
結局この二人も仲が良いのよね。
どうしてこうして181℃違うこの二人がダブルスよ。とか思ったり最初はした。
だけど今なら分かる。
違うからこそ、引き合う。
きっと相手が跡部だったらそうはいかないだろう。
跡部は典型的な一匹狼だもの。
ダブルスには、向かない。
現に、今だってもくもくと着替えてる。
「樺地、帰るぞ。」
「ウス。」
「(早いなっ!着替えるの!!!)」
さっさと跡部は樺地に鞄を持たせて扉へと向かう。
私はすぅと目を細めた。
「待ちな。」
酷く冷えた声に跡部がドアのぶをまわす手を止める。
一気に100℃ぐらいは冷え切っただろうこの部室(ちょっと寒すぎ、えへ)で、二人の目が交わる。
「逃がさないわよ。跡部にも答えてもらう。」
「なにをだ。」
尊大に振舞うこの王様を軽く睨みつけつつ、私はソファから立ちあがる。
つかつかと歩を進めると、ずいとかがめるようにして跡部を見上げた。
にぃ・・と、口端を上げる。
「今がっくんが言ってたの聞いてた?無意識てきにするもんだもんねー?」
「だったらなんだ。」
「凄い興味ある。あの帝王跡部景吾も経験した?」
「してねぇ。」
「(即答で返しやがった)・・なんでよ。」
「お前馬鹿じゃねーの?スルときなんざ夜だろ。寝るのも夜なんだから経験するわけねー。」
「・・・・・・そいつもそうだ。」
「アホらしい。帰るぞ。」
「ちょっとまった!!」
「(はぁ)なんだ。」
いいかげん二回も止められると跡部は不機嫌になる(鞄は樺地に持たせてるんだから良いじゃん)
振り向いた表情は、不機嫌そのもの。
ふぁいなるあんさー(みのさん?)
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
「毎日、女と寝てるわけじゃーないでしょ?」
これでどうだ。
しばらく跡部は目を細めて私を見下ろしてた。
何を考えているのか分からない。
何を考えてる?
「そんなに聞きたいか?」
「そう聞かれるとそうでもないんだけどね。」
ふぅん。そんな表情をした後に、跡部の腕が私へと伸びた。
「っ!?」
首の後ろをぐいと引かれる。
決して遠くない距離が更に縮まった。
形の良い唇。それは凄くそそられるものだと思う。
誘うような低い声。誰もがその声に心を揺らす。
甘く、優しく、誘うように。
跡部は私の耳元で呟いた。
―― そんなに知りたいなら、俺のベットの中で鳴いてみな。
私は凄い早さで身体を離すと耳元をおさえた。
瞳を大きく見開く。
くそう、いつもこの男には勝てない。
いつも、格好悪い所ばかり見られる。
体温が上昇するのが分かる。頬はきっと真っ赤だ。
してやれれてしまった頬が熱い。
跡部は勝ち誇ったように、ふ・・と口元を歪める。
「どうだ?その条件飲むか?」
にぃ、と、笑ったのは跡部の方。
私はぶんぶんと首を振る。
その様をみて一層楽しげに目を細める。
「なんや、二人とも楽しそうに。」
後ろから声が聞こえた。
私が肩越しに振り返ると、忍足が私を見下ろしていた。
すっかり制服に着替えている。
「・・・・・・・・別に・・・っ。関係ないでしょ。」
「関係あらへんもん。なんていったって、跡部は俺のハニーやからな。」
「(ムカ)喧嘩売ってんの?」
「買ってくれはる?」
「売るんなら、買うわ。無料(ただ)より良いものはないけど。」
「・・・・・・・・自分何言っとるかわかっとる?」
「ごめん、分からない。」
「・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・だから、悪かったってば。」
「・・・・・・・・・・・ぁ・・。」
「え、何?」
なんか拍子抜けの声をだしたから、不意を付かれて驚いた。
普通に聞き返す。
だけど、
私は後で後悔することになることなどこの時はまだ知らなかったのだ。
「思い出したわ。」
「だから、何を?」
「忘れてるんか?自分から聞いたのに。」
「あぁ、初体験のこと?でももう良いや。」
「なんやー、あんなに聞きたがってたやんか。」
「忍足は答えてくれたもん。それに、飽きたし。」
「そう、言わんと。」
にっこりと、忍足は笑う。
なんだか嫌な予感がする。
何度も何度もこの部活に来て、嵐が来た。
嵐の、予感。
「長太郎の夢話で思い出したんやけど、俺もあったわ。そんな事。」
「ふぅん、夢見るんだ。」
「それ酷くない?」
「だって見なさそう。」
「俺だって夢くらい見るわ。一応人間やで?」
「そうね、一応、ね。」
「一言一言一句区切るなや。」
「脱線してますけど。」
「おー、そうやな。なんや、最近の話やったわ(にっこり)」
「最近!?」
「少しは興味が沸いた?」
「・・・・・・・・少し、ね。」
「あんな、夢の中でとあんなことやこんなことする夢。その次の日な、したわ。」
「い゙っっ!?」
「「「「「げっ。」」」」」
にんまりと目を細めて笑う忍足に、私は引いた。
思わず身体が後退したいのに硬直して、顔は引きつった。
「侑士、お前さいてー。」
「最低ですっ!忍足先輩!!」
「そうだよー、侑士ばっかりずるいー。」
「ジローちゃん!そこ違う!!(てかいつ起きたの!?)」
激しくノリ突込みをくりひろげる私達。
「いやー、あれは興奮したわ、久しぶりに。」
「いやぁぁぁぁぁぁっ!!夢の中でも私を汚すなぁっっっ!!!!!」
「えー、それちゃうやん。現実のはつれへんもん。」
「ちっ・・近づくな!!変態!!」
「が聞きたいって言ったから言ったんやで?」
ふっ、と、不敵に笑う忍足は私のあごをついと上げた。
私は固まる。
この男が私を夢の中でどう扱ったのか、知るのが恐ろしい。
「ま、時間の問題やな。」
「冗談じゃないわよっ!あんたに処女奪われるぐらいなら麻薬密売人に抱かれたほうがまだマシだよっ!!!」
「・・・・・・・・・・・凄い例えやな。」
「駄目だよ!自分を大事にしなきゃ!」
「がっくん・・・(きゅーん)」
とりあえず、ぎゅーとがっくんを抱き締めた。
くそくそ忍足め!!夢の中でって分かってはいても腹が立つ!!!
こういうのを、腸煮え繰り返る思いって言うのよね。
・・・・・・・・・・・・・・・いやに跡部が静かだな・・・。
そんな事に気がついた。
なんだろう、俯いていて表情はよく見えない。
そっか。やっぱりショックだよね。とりあえず自分の夢を見ろっつーのよね(それ違くない?)
「あの・・・跡部・・・?気を落とさずに。ね?別段夢のことだし・・・。」
「やさしー。。」
良い子良い子。と、むくりと起き上がったジローちゃんは私の頭を撫でた。
「てか、ジローちゃん着替えなよ。みんな着替えてるよ?」
「待っててくれる?」
ふわふわの髪の毛をして、私を上目使いにみるジローちゃんはやり手だと思う。
ふわふわのテディベアを見てるみたいだ。おっきいテディベア。
「待ってる待ってる。」
私はジローちゃんのおねだりに頷く。
それを見て、ジローちゃんは嬉しそうに微笑むといそいそとロッカーの方に歩いていった。
嵐、到来。
「・・・・・・・・・・・・・・・ふっ・・・。」
自嘲気味に笑った跡部の声に、私は振り向く。
・・・・・・恐い。ひっじょうに恐い。
「・・・・・・・・・・・跡部・・・?」
青ざめながら、尋ねてみる。
ジローちゃん以外のレギュラー全員も同様に青ざめた。
「こういうのを、腸煮え繰り返るっつーんだな。・・・・・なァ、樺地?」
「・・・・ウ、ウス。」
「そ、そうよね。そりゃぁショックよね。」
でも落ちついて下さい。
あなたが動くと世界が崩壊しかねないのですよ。
なんとかなだめようと思った私の横を通りすぎた跡部が向かったのは、忍足侑士。
「・・・・・っ・・・?跡部・・・?」
流石の忍足の跡部の次なる行動は読めないらしい。
私は跡部の後を追う。
青筋をわきださてた跡部だったが、忍足の前に立つと、ふ・・・と表情を和らげた。
向けたのは、慈愛のこもる微笑み。
「・・・・・侑士・・・心配するな。俺は別にお前のこと責めてねーよ。」
「・・・・・跡部・・・(ほっ)」
ああ、良かった。なぁんだ。私の思い過ごしね。
なぁんて、話が終わるわけがない。
ジャコッ!!!!
「ただ、てめーが夢の中でに何をしたかと思うとイらついてしょうがねーがな。」
忍足の口に銃口を入れると、にィと壮絶なまでの微笑に豹変させた。
「っっわ゙―――――――――!?跡部早まらないでぇ―――――!!(てかその銃はどこからっ!?)」
「うるせぇ!!止めるんじゃねぇ!!」
「止めるわよ!!みんなも止めて!!」
ズガァン!!!
「キャー―――!!」
「!これ本物だよ!」
「んなの見りゃぁ分かるよ!がっくん!!」
「すげー、跡部。さっすがー。」
「ジローちゃん!誉めてないで止めてくださいっ!!」
「はぁい。」
「やる気ね――――!!!」
ズガァン!!!!!
「二発目―――――――!?」
「・・・ふっ・・・嫉妬深い恋人やわ。」
「忍足っ!?」
「違うよ、侑士。絶対これは侑士に嫉妬してるんだって。」
「・・・・岳人、お前もそう思うか?」
「うん。絶対になれなれしいことした事に怒ってるんだってば。」
「俺より大切なん?」
「頑張れー、侑士。」
「岳人ぉ・・・。」
「そこっ!!勝手に友情劇を始めるな!!!」
とりあえず、止めろや。
教訓。
私は今後二度とこの話題に触れません。
―――――
とりあえず、下ネタトークですみません。
跡部ってなんでもできるのね。そして侑士は報われないね。
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