― らぶじぇねれーしょん ―
私は氷帝のマネージャーだ。
ここの学校で氷帝マネージャーになりたいと志望する人は山ほどいるけど(しかも全部女だ)「どーでも良いや」とか思ってる奴に限ってお呼ばれされたりする。
私は部員の山ほど多い洗濯物を腕に抱えて、ひーこら言いながら歩いていた。
「跡部〜〜〜今日ウチにきぃへんか?」
「行かねぇ。」
「そんな〜〜つれへんなァ。」
ブチッ。
「じゃまなんだよ、てめーら。」
私の中のどこかが切れた音が聞こえて、私は本能の成すがままに二人に足蹴をくらわした。
「ぎゃァ!!」
「てめー、女のすることかよ!!」
「うっさいなぁ。あんた達がいちゃいちゃしてる間私は働いてんだよ!?いちゃつくなら向こうでやれ馬鹿!!!」
「俺はそんな気はねーんだよっ!!」
「分かってるよそんな事!!だったら部長としてなんとかしてよその馬鹿!!」
「馬鹿馬鹿ってさっきから、馬鹿なんてそんな酷いわ〜〜〜」
すー、と私のほうに擦り寄ってきた忍足に更にむかついて「来んな変態っ!」と、二度目の蹴りを入れた。
うざいんだよ、本当にもう!!!怒。
そうしたら、突然私の視界が開けて、腕にかかっていた重量が減った。
なんだ?と、疑問符を浮かべながら見上げると、忍足が洗濯物を持って笑ってた。
「部室まで持ったるvv」
にっこり笑顔で言われた。思わず言葉を失う私。
「・・・・・・・・・・ありがと。」
「いえいえ。いつも迷惑ばっかりかけるのもアレやし―――。」
「ここらで点数上げてくのもありやし―――?」
「そうそう。」
「オイッ!!」
「あはは、嘘に決まってるやん。」
どこから嘘でどこから本当なんだか分かりゃしねーよ、この男。
それでも、忍足はジェントルマンだ。一応(?)女の子には優しいのである。
てゆーか、氷帝テニス部にいると、もしかして私はホストにいるんじゃないかと錯覚さえ覚えてしまう。
だってマジで中はともかく表はかっこいいもんね、悔しいけど。
隣りに歩く忍足を見る。
いやぁ、本当に良い男だね。目の保養。
いいかげんだけど結構優しいし、顔整ってるし、第一あの黒髪!!
うーーん、興味無い私でもドキドキするね(乙女かよっ!!)
「そんなにじっと見られると照れるわ。」
「(ぎくっ。てかお前前見ててじゃないかよ。羊か?180℃視野なのか!?)」
「また分けからへん事考えてるし。」
「むっ、今度はテレパシー?」
「あはは、ほんまに自分おもろいなーー。」
豪快に笑って、忍足は私に笑いかける。うぅ、良い男・・・
ホモじゃなけりゃーね。
「ていうかさ、早く新しくマネージャー入らないかな―――。」
「仕事きついんか?」
「まーね。てゆーか突込みに大変だよ。」
「(つっこみ?)・・・・・・・・・・なんで。」
「だってホモの巣窟なんだもん。誰かがとめなきゃ。」
「はは、否定できへんわ・・・」
苦笑した忍足を横目でちろりと見ると、私は視線を前に戻した。
「いや、でも本当にさ。マネージャーって大変。まぁ、選手の方が大変なんだろうけど。」
「そんな事あらへんよ。俺から見てもマネージャー大変やと思うし。」
「だったらあの自己中王様にマネージャー申告してよ!」
「自分で言えばえぇやん。」
「言ったよ。でも全然無視。」
「跡部らしーわな。」
「だからっ!!本当に一人じゃ大変なんだってば!!!」
いいかげんいらいらして、私は忍足を睨んだ。
そしたら忍足独特の漆黒の瞳がゆっくりと細まって、なんだか思惑ありげに笑う。
う゛、なんだよ〜〜〜〜〜
「まぁ、気持ちわからへんでもないけどな。」
「どっちの?」
「跡部。」
「拉致るぞ?」
「いやん、恐いっっ!!」
「ノリ良いな、忍足。」
「ありがとな。じゃなくて、ほらうちの部活はほとんど俺ら目当てやろ?」
「(そーゆー考えがむかつくんだよ。あってるけど)・・・まーね。」
「せやからちゃんと仕事してくれるのはぐらいやろ?それにへたに勧誘したら更にの仕事が多くなるやん。」
「それはそうだけど!!だからってこのままじゃ大変!!」
「(くす)」
「なんだよ、その微笑。」
「いや、自分結構鈍いんやなー思って。」
「はぁ!?(殺すぞ、コラ)」
「(恐い・・・)だから、跡部は嫌なんやろ。以外のマネージャーは。」
・・・・・・・・・どう言う事さ。全然分からないよ。
「全然わからへんって顔してるで?」
「ご名答。全然分からないよ。」
「あーもー、なんでライバルの背を押さなきゃならないねん。」
「ライバル?なんだそりゃ。」
「せやからー、跡部なんやって。を押したの。」
なんだそれ。
そんな事を思った。跡部が私を推薦したって?
なんでさ。てかまさか私に恨みがあってその復讐にこんな沢山の仕事を・・・
て、んなわけないじゃん。
「それは真面目に働いてくれるのが私ぐらいだったからでしょ。」
「せやなぁ。それもあるかもしれへんけど。」
なんだかはっきりしない口調で忍足は言った。
気がつくと、もう部室に着いてて、忍足は当然の如く部室のドアを開けた。
ほんとに、無駄にジェントルマン。
どさりと洗濯物を机の上に乗せる。
「ありがと。」
「お礼やったらキスしてvv」
[殴っていい?」
「暴力的やわー―――、泣。」
「跡部泣かすよ?」
「平気やも―ん。」
何が平気なんだよ。
さっき忍足が言った事が気になったけど、それ以上踏みこむのがなんか嫌だった。
だから聞くに聞けなくて微妙な空気が流れる。
「忍足・・・」
「ん?」
「さっきの、話・・・。」
「あぁ、その続きは跡部に聞き?」
「・・・・・・・・う゛・・・・・・・・」
忍足はなんだか楽しそうに笑って、私の頭をくしゃくしゃした。
くそう、にっくき身長差!!!
くしゃくしゃになった髪を直してたら、「ほな部活に戻るわ。」と、言って私に背を向けた。
私はまだ指にからみつく髪の毛と格闘してた。
ふいに
背後に人の気配を感じて。
気がついたときには後ろから抱き締められてた。
「っっ!!」
当然のごとく、私は突然の状況に付いていけなくて、心臓は高鳴る。
ヤバイ、何どきどきしてるんだ私。
末だ早い鼓動を落ちつけようと考える。
男の人、の、身体で、腕で。
いつも柔らかく笑うのに。
なんで。
今・・・・・・・?
「ほんまに、妬いてしまうわなぁ。」
ふ・・・と、忍足は笑う。
不敵に。
「・・・・・・・・・っ!!離せ馬鹿っ!!!」
力の限り腕を回したら、忍足はたやすく、ひょいと避けた。
「今日で何回目やろ。馬鹿って言われたの。」
口元の不敵な微笑みは消えない。
それなのに瞳だけは鋭く輝いてる。
「あんたが何をかんがえてんだか私にはどーでもいいよ!!」
「せやなぁ。」
「てか何考えてんだよ!!!」
「・・・・・・・・・・・・(今どうでもええって言ったやん)」
ふーふー、と、猫みたく毛を逆立てる私を見て、忍足はまた楽しそうに笑う。
そうしてドアの向こうに消えて行った。
「あっぶない奴。」
それだけしか、捨て台詞は出てこない。
だって今は何をいっても負け犬の遠吠えに聞こえる気がするから。
とりあえず、むかつくので忍足のドリンクにだけ野菜ジュースを更に混ぜることにした。
「うぎゃぁ!!なんやねん、この味!!」
「自業自得だよ。ざまーみろ。」
「むぅ、できるなお主。」
「何時代だよ!!」
「ていうか、何したんだよ侑士。」
「別にちょっとからかっただけやで?岳人。」
「あんたの冗談に付き合ってられる程こっちは暇でもなんでもないのよ!!!」
「・・・・・・・・なんの話だ?」
「ぎゃーーーー!!なんでもないなんでもない!跡部は引っ込んでて!!」
「(むか・・・)この俺様に向かって何様だてめぇ。」
「あんたこそ何様だよ!!」
「跡部、教えてほしいんやら後で部室にきーや(にやり)」
「ぎゃぁ!!跡部に何やらかすつもりだてめぇ!!!」
「口悪いなぁ、は。」
「(ぜーぜー)誰のせいだと!!!」
「もー、。それくらいにしとけよ。」
「うえぇぇぇぇん、がっくぅーーーん。」
「あ゛、ずるい。岳人だけなやんて――――。」
「だから!!誰のせいなんだよ!!」
「だから、やめろって。侑士もも。」
「うわぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
――――――――――――――――――
今回は忍足さんと、ね。
主人公苦労するなぁ。てか本当に誰か他に突っ込んで上げてください。
ちょっと自分で書いていながらあまりにも憐れすぎ、汗。
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