― らう゛じぇねれーしょん 災難 ―


例えそれが日曜であっても、マネージャーの私に休みはない。
今日は買出しに出かけなければならないから。
だけど特に苦にはならない。まー、面倒くさいけど仕事だし、選んだのは自分だから。

人ごみの中を大きなビニール袋を二つ両手に持って歩いていたら(かなり邪魔よね)不二を見つけた。
誰かを待っているのかな?柱に背を預けてたたずんでいる。
さらさらの茶色の髪に端正な顔立ち。
ガクランをきていない不二は客観的に見るととても中性的で綺麗だ。
私は奴の中身を知っているが、知らない人から見れば爽やかプリンスなのだと。
わぉ、ビックリな話よね。
現に男も女も二人の前を通りすぎる人々はちらちらと不二を見てる。
当の本人は気にする風もなく目を伏せているけど。

声をかけようと思った。だって無視するのもアレだし。


だけど、声は出さずに止まる。
結構かっこよさめの男二人が不二に話しかけたから。
しばらく不二は二人と話していたけれど、その後男二人は不二の元から去っていった。


なんだろう、あの人達が待ち人だったのかな?
いや、だけどすぐに立ち去ったから道でも聞かれたかな。


そう思うのが打倒なのに、どうにもむずむずする。
どこかおかしい。
そう、私の第6感(シックスセンス?)がピンとアンテナを立たせている。

不二は一息溜息をつく。うーん、なんか綺麗ねぇ。
そうして顔上げた。


…………………・ゲ、ヤバ。
目が合った。

目が合った不二は私に向かっていつも通りにっこり微笑んだ。
……………うっ、なんだよう。
はっきり言って不二は苦手である。

だってアイツ。なんか恐いんだもん。
私のこと好きだというけれどそれも本当かどうか分からない。

「どうしたの?こんな所で。」

ゆっくりと歩を進めた不二は、相変わらずの爽やかな笑顔。

「買いだし。」

「仕事熱心だね(くす)」

「誰のためだと思ってんのよ。」

「え?僕の?」

「皆、のね。」

ぎろりとにらんだら、不二は「なるほど。」と、笑って私の片手から袋を取った。

「持つよ。」

私は一瞬目を見開く。
私はひーこら言っていたのに、てかむしろ重すぎてしばらく歩いたら止まるって感じで歩いていたのに。
いとも簡単にその細腕は重い荷物を持ってしまうことに驚いた。

その視線に気がついたのか

「何?」

と、口元は微笑んだまま不二はいう。

「いや、私は結構重かったんだけどね?」

「あぁ、ごめん。もう一つ持とうか?」

「(違う)」

あっさりいうなよ。今しがた驚いたばかりだっつーの。
だから私は「良いよ、悪いし。」と言って歩を進めた。不二も私の隣りに並ぶ。


「細いのに力持ちだね。」

「そりゃぁ、男ですから。」


まぁそうなんだけどさ。分かっているけどね。
もしかしたら私よりも細い不二は(だったらなんかムカツク)そんな力があるとはどうしても思えない。
もともと不二のテニスはパワー重視じゃないし、いつも頭を使うテニスだもんなぁ。


………・・ま、乾ほどじゃないと思うけど。アイツは別格。いきすぎ。


「良いの?誰か待ってたんじゃ…。」

「遅刻する方が悪い。」

これだよ。笑顔で毒吐くなっつ―の。
私は溜息をついて、もう一つの気になる質問をすることにした。


「それじゃぁあの二人組は?」

その質問に、不二は少し興味を持ったように目を細く開くと視線をちろりと私に向けた。
けれどすぐに前に戻して軽く息を吐く。




「やだな。見てたの?」

「うん、まぁ…。」

「やだなぁ。」

「良いじゃない。知り合い?」

「ううん。全くもって全然知らない人。むしろ知り合いとか思われた事に侮辱を感じるよ。」


爽やかに不二はそう言い放った。
…………・二重…いや、三重否定ぐらいしたよ。この男は。

だったらなんだっていうのさ、オイ。






「ナンパされちゃったんだよねー。」

「なんぱ?」

思わず聞き返してしまった。
驚くよ。そりゃぁ。だって男じゃん。

「……・・えーっと、それはそういう趣味の人なの?それとも間違ったの?」

言ったら、心外だとでも言うように微笑を浮かべた不二の表情は








恐ろしく恐い、汗。







悪かったよ、私が悪かったよ!!!







「…………どちらも腹立つ答えだね。」

「ごめんってば。」

「でもたぶん後者vv」

「可愛くいうなよ…(しかも答えてるし)」

「ご期待に添えようと思って。」

「イヤ、あんたは私の中では中性でも女でもないから。」

嫌そうに顔をしかめていったら、不二は一瞬きょとんとした顔をした。
その後すぐ、不敵に口を歪めた。

「そいつぁ良かった。」

「ちょっと待って。何故に笑い方が邪悪なの?」

「だって僕に女とか思われてたらショックなんだもん。」

「あーそー。」

「男っておもわれていないのは不利だもんね。」

「あーそー。」

もうなんて返答したら良いのか分からない。

「でもまぁ、客観的に見たら可愛いもんね、不二は。」

「うわ、心外だなぁ。」

「顔だけ見ると。あと細いし。間違うのも無理無いでしょ。」

は?」

「私?」

楽しそうに不二は私を見る。試してるの?
だから、言ってやった。

「そうね、顔は可愛いくせにテニス部闇の支配者天才不二周助。」

「……・・。」

そんな風に見てたんだ、僕の事。ちょっとショック。と、ぽつりと呟いた不二は真剣に悩んでいて、本当におかしかった。
だから、くすと笑うと隣りで釈然としないような表情を不二がするものだからさらに可笑しくて。




「それで?闇の支配者殿はナンパ野郎にどんな制裁を?」

「別に。特になにも。」

嘘つけよ。毒舌魔王の不二がそれで終わるわけないじゃん。
































「さっさと去らないと喰い殺すぞ?この勘違いやろー。とは言ってやったけどね(にっこり)」

「(………………さいっあく。)」

、どうしたの?」

「イヤ、なんでも。」

私はやっぱりコイツを敵にしちゃならないんだ。
そう思ったのであった。

むしろ私はその男二人組の後が心配デス、泣。

「ところで待たせてる相手って誰?」

「英二だけど?」

「ええっ!?駄目じゃん!!あの子絶対待ってるよ!!」

「えー、遅刻したのは英二なのに。」

「駄目だよっ!戻るよっ!」

そういって、きすびを返した私の背中に向かって、不二はポツリと呟いた。







「……………・・なんでいつもいつも英二には甘いわけ?(ボソッ)」



その声があまりにも低すぎて悪寒を感じた。
まずいっ!菊がやられるっ!!!(違う)

「……不二、何言ってるのさ。」

「だって。いっつも不公平なんだもん。」

「もんとか言うなや。」

「……はぁ。」

「だってさー……。」

言葉に詰まる。なんて説明したら良いのか分からない。
返答に困っている私をみて、不二は一息ため息つくとス…と方向転換をした。
私の横をすりぬけて視線を前にしたまま言う。


「良いよ、付き合う。他ならぬの頼みだしね。」





そうなのだ。こんな一面を見せるから、時々勘違いしてしまう。
本当が、本性がなんなのかわからなくなり

そうして私はまた混乱する。

それが奴の手中に収められてしまっている事もしらずに。


「(……ま、いーや。後でなんか貰おう(何をっ!!??))

「ちょっと!何考えてんの!?」

「別にー。何もー。」

「すっげ怪しい!!!」















― おまけ ―

「不二遅いにゃー。」

待ちぼうけをくらってしまう英二であった。今日のアンラッキーパーソン。笑。








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不二ばっかりですみません。
えーと、他のも考えているんですけどとりあえずは。
不二は中性的だから間違われるのも間違いない。
それをものともしない爽やか笑顔で数倍返し。
それが我らが不二様。超好きvv

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