きまぐれウサギはいつもきまぐれで
時をつかさどる彼は時間を支配する

ゆっくり

焦らずに

それで良いだろうと彼は空を見上げる
イカレタパーティからやっと逃れて、見他のは白ウサギ。
もとはといえば、彼のせい。
チョッキを着て、時計をもった彼を見たせい

けれど本当に見たのはこのうさぎか。
確かにチョッキを着ていて、時計を持っている。
だけどその足取りはゆっくりで
いかにも目はどこか遠くへ。

だから問う。

「ねぇ、貴方は白ウサギ?」

「は?・・・・あんた誰やねん。」

「もとの世界に帰る方法を、教えて。」

「教えて・・言われてもわからへんしー・・・・・はっ!!」

「な、なに。」

「急がんと!遅れてしまうやん!」

「なんの話?」

「女王に呼び出されてるねん。・・・あー、ホンマめんどくさいわぁでも行かんと跡・・・じゃなくて、女王怒るやろし ー・・・。」

「女王?」

「ハートの女王や。知らへんの?」

問いかけに、知るわけがないと頭を振る。
それを漆黒の瞳が見つめた。
一瞬、揺れる闇夜の色。

「・・・・・・・話してあげたいのはやまやまなんやけど、俺ほんまに急いでんねん。ほなまたな。」

「え?ちょっと待・・・。」

最後まで言い終わらないうちに、白ウサギはいなくなった。
確かに、彼は急いでいるようだ。
だけれど一番最初に自分が見たものとは違うと感じる。

何故?



やはりイカレタ国だと諭す。

見失ってしまった白ウサギを探さなければ。

 >