考えもしなかった。
自分が異性に対して恋心を抱くなんて








俺の知っているあの人は、とても綺麗で穢れない
その白い肌がいくら精液で汚れても、汚れる事を知らない人


その真白な心と肌は
いつも矛盾に苦しんでいる




彼女が唯一信じているのは








己の神









イエス・キリストは同性愛を禁じた。
それは汚れた行為だと言って。
けれど


人を愛する事がそんなにも禁忌だとは思わない。
洗礼を受けた彼女は、一体どんな気持ちで女を抱き、抱かれているのかと思うときがある。




何時だって、俺が信じているのは





































ただ、一人。






































女なんてただの遊び道具だと思っていた俺は
何故だか彼女だけには引き寄せられた。
それはただ同類だったからなのか
それとも彼女が俺と全く違うものだったからなのか


今はまだ、分からない。


最初は本当に友達やった
話していると楽しくて
笑ってくれるだけで、側にいるだけで嬉しかった。
次第に触れるようになり






本気で欲しいと願うようになる。

















けれど
本当は分かっていたんや。






















と俺の世界は違いすぎる。
俺達は


















同じであって、違うモノ







はっきり言って、
の存在はあまりにもまぶしい。





もしかしたら





眩しさ故に手をのばしたかったのかもしれない。













「・・・・・・・・・・・(クス)恐い顔。」


精液まみれの指での頬を撫でた。
身体が満たされたのはほんまや

せやけど


喉の渇きを覚えたのはいつからだったか。






怒りに歪むの顔はやっぱり綺麗で。
俺はただただ嬉しかった。




どうして怒っているのか
何故今日に限って不機嫌なのか
俺にとってはどうでも良い。
目の前にがおる、それだけでもう充分。











なァ















笑ってや?


































「まんねりセックスの良い刺激になった?」

「せやな、ありがとう。」

「この変態。」

嫉妬してくれたのならなおの事。
俺を喜ばせると知りもせんで。

あーもー、ヤってる最中にを見たら思わずイキそうやったわ(オイ)


「お断り。別に男は侑士だけじゃないし。」


瞬間
ドクンと鼓動が跳ねた。
今まで一度として沸きあがらなかった感情。


自分が汚れていると嘆きながら
それでもは愛を求める
身体の繋がりの向こうに、同姓でも愛せるという終わりなき答を見つけるように
不確かなモノだけに確証はないというのに。
ない故の不安
神へ背を向けたことへの罪悪感。

表には出さないけれど、心の中の葛藤は続く。
汚れることを厭わないと笑いながら
は神への信仰心を捨てられない。



はいつも

唯一絶対の存在に怯えてるんや。






















全く憎らしい。
ここまでを夢中にさせるんは
生身の俺やのうてもうとっくのとうに御陀仏になった精神体。






だから俺は神なんて信じてへん。
むしろ大嫌いや。







唯一共通に抱いてる想いは、
同姓が好きだと言う事。
それと








失うことへの恐怖









「せやから、浮気はあかんで?」


にっこりと、感情が激しく揺れ動いてるのを隠して笑った。


更に一層訳がわからないとは顔を歪めた。


「もう良い、話すのに疲れた。」

俺と向き合うんをやめるんか?
もう遅いなんて分かっとらんのやろ。








失うのを恐れているのは




























































俺が恐れているのは




































。」

ふ・・・、と、微笑む。
その名前こそ、俺の絶対唯一なもの。
失うと分かったら
俺はどうなるか分からへんねん。


優しくしたったろ?
望む彼氏を演じたやろ?


せやけど
ソレは俺の全部やあらへんねん。
自分の事に一杯一杯のには気付くなんて無理な話やなぁ。


もっとも











そんなへまはせぇへんけど。




































心に広がる闇に目を背ける

今はまだ


解放出来ない。







否、解放なんてしたない。
じわじわと近寄ってくる影の足取りは妙にしずかで
俺の精神を揺れ動かす。









「また、屋上で。」


















きっともう止める事なんて出来ない。




































--------

てなわけで侑士視点でした。
あいやー、二人はどうなってしまうのでしょう。
てゆか、まだヤらないってどうよ(コラコラ)
でもまだまだです、はい。お待たせしてしまって申し訳ありませんが、汗。
お楽しみは最後までー。

next
return